serendipity

如是我読  ペンギンは読書中

 
やっと読んだ。
まいった。
おもしろかった。

恩田陸は好きな作家で、わりと読んでいるけど、
高校生たちが80キロを歩くだけの話だというので、
なかなか手がでなかった。

ぐずぐずしてたら、すごくおもしろいと評判になり、
本屋大賞なんかもとってしまった。
やがて映画化され、それにあわせてか、文庫化された。
ようやく買った。

ところが、それからまた1年半以上も積んだまま。
すぐ目につくところにあるから、気になる気になる。
それでとうとう、「えいやっ」と読んでみた。

高校の「歩行祭」という行事のあいだの話だった。
すぐにひきこまれてしまった。
迷ってたのはなんだったの?

主役のふたりの男女高校生がかかえる大きな問題。
その解決がテーマで、展開もだいたい見当がつく。
それなのに、一昼夜歩きつづけるだけの話で、
こんなにわくわくするとは。

脇役の高校生たちも、性格がはっきりさせてあるためか、
ドラマの進行に不自然さが感じられなかった。
最後の最後まで見せ場を作り、
どの登場人物にもきっちり役目をはたさせる。
すごい腕前。

最後のほうでいろいろとあきらかになってくる。
それを知って再読すると、またちがったふうに楽しめそうだ。

主役のふたりの心境が、ていねいに描かれているので、
おわりのほうでは本当によかったと、こちらまでうれしくなってしまう。
ラストでは、この場に居あわせたいと思った。
登場人物たちが、うらやましかった。

読んだあと何もしたくなくなる小説がある。
いままでにもいくつか出くわしたけど、これもそう。
いつまでもボーッとしていたかった。
しばらくそうしていた。
しあわせな小説だ。


夜のピクニック (新潮文庫)夜のピクニック (新潮文庫)
(2006/09)
恩田 陸

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::この記事へのコメント::
藍色さん
はじめまして。

トラックバックをどうもありがとうございます。
しばらくウェブを留守にしていて、遅くなってしまいました。
よろしければ、またたまにはおいでください。
2009/03/12(木) 18:03:30 | URL | kenn #NV6rn1uo[ 編集]
こんばんは。
トラックバックさせていただきました。

トラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
2009/03/07(土) 04:23:20 | URL | 藍色 #-[ 編集]
ご訪問、感謝
有閑マダムさま

コメントをありがとうございます。

恩田さんは守備範囲が広く、
いろいろなタイプの作品がありますね。
ミステリ系はもちろん、不思議な話も好きなので、
『光の帝国』など、常野物語モノが気にいってます。

こちらこそ、これからもおじゃまさせていただきます。
どうかよろしくおねがいします。
2008/03/10(月) 12:24:23 | URL | kenn #NV6rn1uo[ 編集]
恩田陸さん
こんにちは!
コメントをいただいたので、早速私もお邪魔しました。

恩田陸さん、私も好きです。
「夜のピクニック」のほかに、「黒と茶の幻想」もよかった!
あとは「三月は深き紅の淵を」も面白かったし・・・
彼女の本は、別の本とわずかにリンクしていたり、登場人物が重なっていたりして、一つ読むとまた別のものが読みたくなったりもしますよね。

私も、これから遊びに来させてくださいね。
2008/03/10(月) 10:56:01 | URL | 有閑マダム #.UUnsg0g[ 編集]
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